日本経済研究センターは9月11日、第16回「AI・ビッグデータ経済モデル研究会」を開催した。「EBPM推進のための自治体税務データ活用」をテーマに、東京大学大学院経済学研究科・公共政策大学院 川口大司教授から報告があった。
近年、日本の自治体においても行政記録情報を活用した、根拠に基づく政策立案(EBPM:Evidence Based Policy Making)が推進されつつある。しかし、自治体から研究者に個人単位のデータを提供する際には法的・技術的課題があり、行政データの利活用は欧米ほど進展していない。川口教授からは、そうした課題を克服するために法学者などの知恵も集めて自治体から税務データの提供を受け実証研究に活用する取り組みの紹介があった。その中で進行中の、所得リスク・格差や、雇用・社会保障、賃金上昇率の計測に関する分析の報告があった。
報告後、自治体にとってより有用な分析テーマや、行政データの将来的な活用可能性なども議論した。
バックナンバー
- 2023/09/13
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EBPMに自治体税務データを活用
法的・技術的課題の克服に知恵集め
議事要旨 第16回
- 2023/04/03
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経済分析で活用進むオルタナティブデータ
速報性や豊富な情報から予測精度を改善
議事要旨 第15回
- 2022/10/18
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原理の究明求められる深層学習の優位性
ブラックボックスから制御可能な技術へ
議事要旨 第14回
- 2022/08/16
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新聞記事から景気動向を迅速に捉える
機械学習も活用し景況感指数を作成
議事要旨 第13回
- 2022/06/21
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ファイナンス理論との融合進む深層学習
ブラックボックス問題を解消する試みも
議事要旨 第12回
- 2022/02/10
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コロナ禍で改良目指すGDPナウキャスト
定期公表を始めた2つのモデルの成果と課題
議事要旨 第11回
- 2022/01/05
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資産運用で広がるAIの参入余地
目的・機能に応じた資産配分が新トレンド
議事要旨 第10回