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日本経済研究センターは12月5日、今後10年ほどのアジア経済を俯瞰した「第5回アジア経済中期予測」を発表した。貿易・ハイテク摩擦が過熱する米中の対立や世界で都市化が加速する傾向などに注目し、イノベーションの方向性をベンチャーキャピタル(VC)のスタートアップ投資分析をベースに予測した。2018年度に引き続き、国・地域及び都市レベルのマクロ経済予測も実施し、名目GDP(国内総生産)などの予測値を改訂。昨年度のアジア13カ国・地域、77都市に、新たにカナダ、オーストラリアの2カ国とトロント、モントリオール、シドニー、メルボルンの4都市を加え、予測期間も2030年から2035年に延長した。
イノベーション予測ではセコイア・キャピタルなど有力VC35社のうち4社以上が出資する、世界のスタートアップ190社を抽出。これらを現在注目されているユニコーン企業75社(評価額10億ドル以上の未上場企業)と、今後脚光を浴びそうなユニコーン予備軍115社(同10億ドル未満)に分けて分析した。都市の機能(「移」「職」「住」=職場で仕事し、住居で生活し、職場と住居を移動する)に着目した分類で190社を分けてトレンドを見た(図表)。

都市予測では、1人当たりGRP(地域総生産)は上位を米国の都市が席巻する状況に2035年も変化はなく、テック企業やスタートアップ企業が集積するサンフランシスコが首位として突出する。デジタル経済への移行を追い風に、1人当たりGRPが20万ドルを突破する唯一の都市となる。アジアの都市に限定すると上位2都市はシンガポール、香港と15年、2035年時点で変わらない見通し。
国・地域予測では、名目GDPは米国が世界1位としての地位を譲ることはないものの、中国が世界2位としての地位を固めるだけでなく、次第にその差をつめていく。2018年に米国の65%程度だった中国の規模は、2035年には実に95%と、ほぼ同水準にまで迫る。現在日本の半分程度のインドのGDP規模は2029年に日本を追い越し、2035年には1.4倍の規模に達する見通しだ。
*12月5日付けNikkei Asian Reviewに関連記事が掲載されました。
Nikkei Asian Review “‘Work’ and ‘life’ to follow ‘mobility’ as next venture cash magnets”
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