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Discussion Paper 123 2009.8

少子高齢化、ライフサイクルと公的年金財政




蓮見亮・日本経済研究センター研究本部研究員 、中田大悟・経済産業研究所研究員

全文/Discussion Paper No.123全文/Discussion Paper No.123

概要

 厚生労働省より発表された2004年の財政再計算および2009年2月の財政検証によって、年金財政の安定性は人口減少のみならず、種々の経済想定に大きく左右されることが一般にも広く認知されるようになった。厚生労働省の年金財政推計では、人口想定の違いに関わらず、推計期間の大部分で一定値の経済想定を仮定しているが、経済学的な家計のライフサイクル行動を前提にした場合、人口構造の高齢化と経済変数の間には論理的な関係性が存在するはずである。そこで本稿では、まず、計算可能な世代重複モデルを使用することによって、一般均衡論的見地から人口構造と整合性を持った経済想定を算出し、それを厚生労働省が作成・公表した年金財政モデルに反映させることにより、少子高齢化が年金財政に与えるリスクの検討評価を行った。その結果、人口の減少および高齢化の進行は、被保険者数の減少という直接効果に加えて、高齢化が進むにつれて運用利回りが低下するという間接効果を通じて修正積立方式の年金財政に不利に作用することが示された。
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