「経済百葉箱」は当センター経済予測班による分析リポートです。このうち「番外編」は、主に新年度から研修を開始した企業・団体からの派遣研究生が、「第一弾」としてまとめたリポートです。第166回改訂短期経済予測(SA166R、2016年6月8日公表)よりも「好景気」「不景気」になる場合について2班に分かれて予測しました。中国や新興国、欧州など世界経済の不透明さが増していく中で、資源価格や為替を通じた日本への影響も検討しています。内容的には詰め切れていない部分もありますが、粗削りでも、当センターの経済予測を補完する意味で公表する次第です。研修制度ご紹介のページもぜひご覧下さい。 ■日経センターの研修制度ご紹介はこちら 2016年7月1日公表 2016年度研究生
▼要旨▼ 中国経済は「成長の鈍化」、「健全性の悪化」及び「資本流出の加速」という「トリレンマ(三重苦)」を内包しており、その表面化が世界を巻き込む経済減速を引き起こす。英国の欧州連合(EU)離脱問題も相まって、日本経済の実質国内総生産(GDP)成長率は、2016年度に▲0.1%(当センターの四半期経済予測(SA166R)比で0.6%ポイント下振れ)、2017年度に▲0.6%(同1.5%ポイント下振れ)と2年連続のマイナス成長となる。中国大減速に伴う企業・消費者マインドへの影響は深刻なものとなり、「失われた20年」はさらに深く、長く日本経済を蝕んでいく。 要旨 スライド資料
▼要旨▼ 世界経済はインドの高度成長の持続によって好景気が続く。インドの高度成長による原油需要の増大により、原油価格が65ドル/バレルで安定し、米国のエネルギー産業の収益改善につながり、米国経済にも好材料をもたらす。米国経済は力強い消費を取り戻し、中国・新興国の輸出増となり、世界も好況になるだろう。英国のEU離脱による日本経済への影響については、一時的な混乱はあるが、長引かないとしている。日本経済は世界景気に牽引され、輸出を中心に経済が好転する。製造業を中心とした企業業績の回復により、設備投資は拡大する。所得環境は改善され、国内消費も堅調に増加する。2017年度の日本の実質GDPの水準はSA166Rの予測から1%増加する。 要旨 スライド資料