日米欧経済の景気回復が緩慢な中での中国の力強い景気は、周辺のアジア諸国ひいては世界経済の回復に大いに貢献してきた。もっとも、その過程で実施された景気拡張政策は、「開花」した国民の旺盛な消費や住宅取得意欲と相まって、半ば必然的に様々な歪みをもたらすこととなった。この先、中国当局は歪みの是正を進めていくことになるが、その際、多少の成長鈍化を甘受せざるを得ない。一方で、高成長が多くを覆い隠す面もあり、行き過ぎた成長鈍化は受け入れられない。このように、政策当局の舵取りは益々、難しくなると予想される。我々にとって、当面は東日本大震災の影響や復興に向けた動きが最大の関心事項になる。しかしながら、リビア情勢や資源価格の動向に加え、中国経済や同国の政策運営への関心も怠れない。 全文
■経済百葉箱 番外編 2018 (2018/7/3 発表) 「経済百葉箱」は当センター経済予測班による分析リポートです。このうち「番外編」は、新年度から研修を開始した企業・団体からの派遣研究生が、「第一弾」としてまとめたリポートです。 第174回改訂短期経済予測(SA174R、2018年6月8日公表)、第44回中期経済予測(2018年3月23日公表)を踏まえ、3班に分かれて、異なるシナリオを描きました。 短期担当の2班は、米国とその他主要国との貿易戦争を起点とした「景気低迷シナリオ」と、中国経済の「量」から「質」へのシフトが周辺国経済に好影響をもたらす「好景気シナリオ」を示しました。中期担当の班は、無形資産の活用による成長シナリオを示しました。 ![]() 短期予測@:「外需」を失い、日本経済は失速へ―米国発の貿易戦争が深刻化― 短期予測A:アジアの成長を取り込む日本経済―中国経済の「量から質への変革」に勝機― 中期予測@:無形資産拡充で生産性向上へ―中小企業を導く2つのチカラ― △このページのトップへ バックナンバー |