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2011.09 金融研究

復興対策・原発問題への金融面からの政策提言


 更新履歴 
復興で金融が果たすべき役割、解決すべき課題は何か、
リポート1 インフラ復興に民間投資呼び込め(9/16公表)
リポート2 生活・経済復興へ二重ローン軽減を(9/28公表)
リポート3 あいまいさ残す原発賠償―処理費次第で行き詰まりも(9/30公表)
の3点から考えます。


リポート1 インフラ復興に民間投資呼び込め―PFI活用で財政負担軽減、人材結集した新機構の設立を―

金融研究班 上田 翔一、澤 大輔、高見 浩輔

財政負担を避けながら、民間の知恵とカネを呼び込み、新たな産業と雇用を生む――。今後のインフラ復興にはそんな発想が必要だ。しかし、これまで受け皿になるPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)がうまく動いた例は少ない。大型案件を立ち上げるために必要な莫大な資金、甘くなりがちな採算性の見通し、縦割り行政と許認可の壁など、ハードルが立ちふさがる。官民の人材を結集した新機構と特区導入を起爆剤としたPFI推進策を提言する。

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リポート2 生活・経済復興へ二重ローン軽減を―減税や債権買い取りもセットで―

金融研究班 阿部直正、金岡諭史、杉本拓郎、武井哲也

地震・津波・原発事故という複合災害を被った地域で、再建を「自助努力」だけに頼ることは難しい。新旧債務という重荷は再建に向けてのマイナスからのスタートを意味する。地域経済を復興させるためには何が必要か――人口流出を極力抑え、事業の再開をスピーディーに行う。このためには、政府による支援はもちろんのこと、地域金融機関が担う役割も大きい。災害に強い住宅再建、新規融資をセットにした債権買取など、既存制度プラスαの支援策を提言する。

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リポート3 あいまいさ残す原発賠償―処理費次第で行き詰まりも―

金融研究班 岡 圭佑、黄田和宏、常峰健司、寺田昇平

原子力賠償支援機構法を軸とする現行の賠償スキームは持続可能か――我々の試算によれば、賠償・廃炉に必要とされる金額は2.5〜7.3兆円。この額を超えると、現行スキームに黄色信号がともる。これに加え、「そもそも誰が賠償負担を負うのか」、「他の電力会社は追加拠出すべきか」といった、根源的な問題が玉虫色だ。原発賠償に残るあいまいさを整理し、今後のシナリオを描く。


図表 東京電力の負担額は2.5〜7.3兆円に
内訳 (億円)
避難区域への賠償額3,977
農林業への賠償額9,043
水産業への賠償額834
観光業への賠償額2,543
警戒区域での土地買取り費用1,000〜43,000
放射線被爆による損害賠償費用1,000
福島原発の廃炉費用7,027〜13,337






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