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2016.03 金融研究

マイナス金利政策の限界
―ゼロ金利制約打破後のリスク―

2016年3月2日発表
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金融研究班

最新リポート「ゼロ金利制約打破後のリスクと課題―『キャッシュレス社会』の構築を目指せ―」(2016/03/08公表)はこちら


<金融研究説明会>「マイナス金利政策の限界―ゼロ金利制約打破後のリスク―」 (2016/03/02開催)

金融研究班
  3月2日(水) に東京で≪日経センター金融研究説明会≫を開催しました。
 【セミナー概要】 日本銀行がマイナス金利政策を導入しました。それまでの量的・質的金融緩和政策にマイナス金利を追加したことで、日銀の金融政策は「量の世界」から「量と金利の世界」に転換しました。量的拡大とマイナス金利政策の両立は持続可能でしょうか。金融機関の収益構造に及ぼす影響、出口の手前で日銀に発生するコスト、さらなる金利引き下げの余地など、「3次元QQE」がもたらすリスクと課題について考えます。
■金融研究説明会資料@ はこちら / ■金融研究説明会資料A はこちら



【 15年度公表の金融研究シリーズ 】

<速報>日銀はマイナス金利導入でゼロ金利制約を打破 ―金融機関の収益、2000億円程度の押し下げも― (2016/01/29公表、02/01訂正)

金融研究班
 マイナス金利の導入は、名目金利がマイナスにはならないという「ゼロ金利制約」を打破したという点で、日銀の金融政策の大きな転換点となった。日本経済研究センター金融研究班がたびたび指摘してきたとおり、デフレ克服に向けた量的・質的金融緩和(QQE)の限界が近付くなかで、日銀がマイナス金利という新たな政策を打ち出したことは評価できる。


報告B:国債購入期限、「17年半ば」は変わらず ―日銀の補完措置、札割れのリスクは軽減― (2016/01/22公表)

金融研究班:肝付卓也、左三川(笛田)郁子、橋えり子、<監修>岩田一政
 日本銀行が2015年末に発表した量的・質的金融緩和(QQE)の補完措置は国債市場にどう影響するか。日銀が大量の国債購入を継続できる期間を再試算したところ、補完措置発表前の15年12月に試算した「17年半ばまで」という結果に大きな変化はなかった。補完措置による適格担保の拡大などは、日銀が市場から購入できる国債の量を増大させる効果に乏しい。一方、補完措置は国債買い入れがオペの札割れなどによって中断するリスクを抑える効果を期待できる。副作用が大きいQQEを長期化させるのであれば、国債購入額の縮小(テーパリング)も選択肢となろう。
■2015年度金融研究班報告B <概要> はこちら
■2015年度金融研究班報告B <全文> はこちら

■関連レポート <英文> はこちら



<速報>国債買い入れの限界に配慮か ―日銀がQQEの補完措置を公表― (2015/12/18公表)

金融研究班
 日本銀行は18日の金融政策決定会合で、現行の量的・質的金融緩和(QQE)政策を補完する新たな措置を導入すると発表した。日銀が銀行から受け入れている国債などの適格担保に、外貨建ての貸し出し債権や住宅ローン債権を加えるほか、購入する国債の平均期間を延ばす。日本経済研究センターの金融研究班が17日に公表したリポート「異次元緩和の限界と出口に向けた課題」で指摘したように、日銀による大量の国債購入が長期化すると、民間金融機関は担保不足に直面する。結果として、日銀は国債を買い続けることが難しくなる。日銀適格担保の拡充は、間接的に国債市場の需給を緩和させる効果がある。今回の措置では、不動産投資信託(REIT)の買入限度額の引き上げや上場投資信託(ETF)の購入額の増額なども示された。マネタリーベースを年間80兆円のペースで増やすという量的目標は維持するため、あくまでQQEの補完措置との位置付けである。黒田東彦日銀総裁も同日の記者会見で、「経済の下振れに対応するという意味での追加緩和には当たらない。むしろ、資産買い入れをより円滑に進めるための措置」と強調した。しかし、QQEには手詰まり感も出ていた。現行ペースの量的拡大を継続するための「戦力の逐次投入」と言えなくもない。


報告A:異次元緩和の限界と出口に向けた課題 ―米FRBは9年半ぶりの利上げ決定、日銀は「第2射」の提示が重要に― (2015/12/17公表)

左三川(笛田)郁子、橋えり子、加藤秀忠、北村尚夫、肝付卓也、高橋元氣、田島祥太郎、野内修太、<監修>岩田一政
 日本銀行は15年10月に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、政策目標に掲げる消費者物価指数(CPI)上昇率の2%達成時期を、「2016年度前半頃」から「2016年度後半頃」に先送りした。しかし、日銀は量的・質的金融緩和(QQE)政策のさらなる拡大、「再追加緩和」には慎重である。透けて見えるのは、毎月9兆円を超える長期国債を買い続けるQQEに、物理的な限界が近付いているとの懸念である。自然利子率の恒常的なマイナスというかつてない環境下で、現行のQQEはいつまで継続可能なのか。本リポートは、12月に9年半ぶりの利上げを決めた米国や出口を模索する英国の金融政策と比較しながら、QQEがもたらす副作用と出口政策の選択肢を探る。
※長期停滞と自然利子率に関するリポートはこちら


報告@:邦銀に忍び寄るリスク ―中国減速で海外の与信管理が重要に― (2015/10/21公表)

加藤秀忠、北村尚夫、肝付卓也、高橋元氣、田島祥太郎、野内修太、<監修>左三川(笛田)郁子、橋えり子
 超低金利の長期化は、国内銀行にビジネスモデルの転換を迫っている。地方銀行など地域の金融機関は相対的に利ざやの厚い中小企業や個人向けの貸し出しを増やすことで、完全民営化を控えたゆうちょ銀行との競争に備えている。一方、メガバンクを中心とする主要行は海外での融資拡大により、国内での貸し出し利ざやの縮小を補おうとしている。中国・アジア経済の減速が懸念されるなかで、海外での与信管理の高度化は一段と重要性を増している。
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