トップ » 研究リポート » JCER Paper » 79

JCER Paper 79 2008.9

人民元は通貨バスケット参考相場制を強化
―実効相場ベースで緩やかに人民元高へ




村瀬哲司・龍谷大学教授

全文全文

要旨

 人民元の対米ドル相場は、7 月16 日に1 ドル6.8128 元の高値をつけてから最近まで弱含みで推移している。現在の中国経済は、輸出の経済牽引力にかげりが見える中、高めの安定成長を維持しつつインフレを抑制するという、難しい舵取りの局面にある。為替政策は中国のマクロ政策の重要な一環をなしており、外国為替市場は通貨当局の厳しい管理のもとにある。7 月を境に通貨当局は、それまでの人民元の対ドルじり高政策(クローリング・ペッグ制)から、名目実効相場をより重視する方針に転換したと考えられる。それは、海外からの資金流入を弱めることとなり、マクロ経済面では特に過剰流動性の基を断ち、インフレ抑制の効果をもつとともに、中国人民銀行の金融政策の裁量を広げることになる。
△このページのトップへ

目次

1.人民元の名目実効相場は安定から急騰へ
2.漸進的な対ドル相場切り上げの経済インパクト
3.クローリング・ペッグから名目実効相場重視へ
4.通貨バスケット参考相場制強化とマクロ経済政策
△このページのトップへ