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JCER 研究員報告

【中国経済リポート】中国、「減税で投資促進」は不発−構造改革が経済成長を下押し

2016年10月19日発表

室井秀太郎・国際アジア研究部主任研究員 

要旨

 中国共産党と政府は鉄鋼と石炭の過剰生産能力の削減を進めています。この2業種のうち、特に石炭の生産と投資が落ち込み、構造改革が経済成長の下押し要因になっています。一方、指導部は企業に対する減税で民間投資を促そうとしましたが、思惑に反して民間投資の伸びは急減速しています。厳しさを増す中国の経済運営を検証しました。
※中国国家統計局が19日発表した16年第3四半期のGDP伸び率は前年同期比6.7%となりました。1〜9月期でも6.7%増でした。

<ポイント>
@中国共産党と政府は「供給サイドの改革」を進めており、この中で取り組んでいる鉄鋼と石炭の過剰生産能力の削減が16年に入って、石炭の生産と石炭採掘の投資の落ち込みにつながり、経済成長の下押し要因になっている。

A指導部は企業に対する減税措置の導入で、民間投資を促進しようとした。しかし減税にもかかわらず、民間投資は大きく減速している。この背景には民間企業が国内よりも海外への投資を選好していることがある。

B長引く景気低迷に対応した度重なる金融緩和で、金融政策の余地は乏しくなっている。指導部は大型の財政出動による景気刺激には否定的であるが、民間投資の減速で経済運営は難しい局面を迎えている。

中国2016年第3四半期GDPリポート(室井秀太郎20161019)中国2016年第3四半期GDPリポート(室井秀太郎20161019)JCER NET メンバー限定

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