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JCER 研究員報告

【中国経済リポート】中国、「6.5%超成長」の呪縛―今年未達成なら李首相退任も

2017年1月20日発表

室井秀太郎・国際アジア研究部主任研究員

要旨

 中国では2012年以降、労働力人口の減少が続いており、潜在成長率が低下しています。17年の経済成長率は6%台前半になる可能性もあります。中国共産党は20年のGDPを10年比で倍増するため、16年からの5年間の成長率は6.5%以上とする目標を掲げています。17年の成長率目標をどう設定するのか、成長率が6.5%を下回った場合はどういう影響が出るのかを検証しました。
※中国国家統計局が20日発表した16年のGDP伸び率は前年同期比6.7%となりました。第4四半期は6.8%増でした。

<ポイント>
@中国では景気減速に対応した金融緩和で過剰流動性が発生し、局所的な不動産バブルを招いている。不動産価格の高騰が続くと国民の不満につながり、逆にバブル抑制で価格が急落すれば銀行の不良債権が増えかねない。

A長年続いた一人っ子政策の結果、労働力人口は2012年以降減少が続き、潜在成長率が低下している。17年の実質国内総生産(GDP)伸び率は6%台前半に低下してもおかしくない。ただし有効求人倍率が現在のように1以上を維持していれば、大規模な失業が起きて社会不安につながる懸念はない。

B中国共産党は20年のGDPを10年比で倍増することを公約しており、その実現のため16年からの5年間の経済成長目標を6.5%以上としている。17年の成長率が6.5%を下回れば公約に抵触することになり、18年の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で李克強首相が退任する可能性もある。

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