トップ » 研究リポート » 研究員報告 » 2018年5月15日掲載

JCER 研究員報告

次の消費増税は“欧州流”の需要平準化を
―価格転嫁を柔軟に、増税後の値引き容認も

【ポイント】

●日本は欧州諸国に比べ、消費税率引き上げ時の駆け込み・反動が大きい。欧州諸国は、付加価値税率の引き上げが決まると、増税前に先行して価格を引き上げる一方、増税後に税抜き価格を引き下げ、需要を平準化している。他方で、日本は税率引き上げ時に増税分を販売価格に一斉に転嫁するため、消費の落ち込みが拡大する。

●増税前後の需要の平準化は、反動減による景気の下押しへの配慮だけでなく、家計が消費支出の変動の抑制を好むことや、企業による効率的な資源配分といった観点からも望ましい。

●日本における一斉値上げの背景には、政府による価格転嫁への厳しい監視がある。過去の増税時は便乗値上げや下請け企業への買いたたきなどを取り締まってきた。2014年の増税時は「消費税還元」を銘打ったセールの実施も禁止した。

●次回増税時は需要の平準化のため、増税時の一斉の価格転嫁を促すのではなく、増税後の値引きを容認するなど、需給に応じた柔軟な価格設定戦略を企業に認めることが肝要だ。

研究員報告研究員報告

△このページのトップへ