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JCER Review 61 2007.1

年齢別出産行動と人口減少
合計特殊出生率だけでは決まらない人口変動




大賀智子・2005-2006年度経済分析部委託研究生、日本経済新聞社

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要旨

少子高齢化社会を象徴する指標として、合計特殊出生率に注目が集まっている。厚生労働省の『人口動態統計調査』によると、合計特殊出生率は1970年代以降、低下傾向が続き、2005年には1.26に下がった。2006年12月に国立社会保障・人口問題研究所(以下、社人研)が公表した新たな『日本の将来推計人口』では、出生中位の仮定値である合計特殊出生率の推移について、前回2002年推計の中位推計を大きく下回ると想定し、少子化による人口減少が前回推計より加速する姿を公表した。
 しかし、合計特殊出生率は15−49歳女性の年齢別出生率の合計なので、年齢別出生率の割り振りを変えれば0歳児人口の先行きが上下し、総人口の予測値も変わってくる。そこで、合計特殊出生率の水準を固定して年齢別出生率の内訳を変えると、将来人口がどのようになるかをシミュレーションした。
 @出産高齢化パターン、A出産若年化パターン、B出生率の年齢別シェア固定パターン――の3通りにわけてシミュレーションした結果、2025年時点の将来人口に最大で100万人を超える差が出た。出産高齢化パターンの人口が最も多くなり、社人研の出生中位・死亡中位の推計値を約96万人上回った。団塊ジュニアを中心に人口規模が大きい30歳代の女性が子供を生み育てやすい環境を整えれば、人口減少の速度をある程度緩めることができる。
 今後20年間の少子化対策を考える際、子供の数や合計特殊出生率に注目するだけでなく、女性の年齢別ライフスタイルの現状を分析し、どの年齢層の女性がより出産・育児を選択しやすいようにするべきかを考えることが重要になるといえる。

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目次

要旨
1. はじめに
2. 出生パターンは高齢化傾向
3. 出産期間の女性人口と出生数の実績
4. 出産高齢化パターン
5. 出産若年化パターン
6. 出産2005年パターン
7. おわりに
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