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JCER Review 63 2007.3

FISIM(間接的に計測される金融仲介サービス)導入に伴うGDPへの影響




柴崎裕二・2006年度研究統括部研究生、中小企業金融公庫

本文本文

要旨

1993年の国連の勧告による国民経済計算体系(93SNA)では金融仲介サービスを付加価値としてGDPの一部に計上することを求めている。既に米国、カナダ、オーストラリア、EUでは導入されている。しかし、日本では現状ではGDPに計上しておらず 、93SNA基準では現状の日本のGDPは過小の数値ということになる。参考試算値であるFISIM(Financial Intermediation Services Indirectly Measured:間接的に計測される金融仲介サービス)をみると名目で10兆円程度(対名目GDP比2%程度)であり、これは決して無視できる数値ではない。
 もっとも他国と比較してみると、日本のFISIMは低い水準にある。これは、利ざやが小さいことに加え、金融機関がバブル崩壊後、不良債権問題に苦しみ、貸出額を伸ばせなかったことによるものであろう。今後、日本のFISIMは縮小する形で推移するものと思われる。それは、@人口減少の影響などにより住宅市場が伸びないこと、A預金金利は貸出金利よりも金利感応度が高いため、金利上昇局面下では利ざやが縮小するからである。

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目次

要旨
1. FISIM(間接的に計測される金融仲介サービス)の概要
2. 各国のFISIM
3. 日本のFISIMの中期予測
4. 結論と議論
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