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JCER Review 64 2008.4

SNAと家計調査における平均消費性向の簡易調整
―高齢化をマクロの消費予測に織り込む




前田武宏・2007年度研究統括部研究生、衆議院事務局

本文本文

家計が可処分所得のうち消費に回す割合を示す平均消費性向には、大きく分けて、国民経済計算(SNA)ベースと家計調査ベースが存在する。日本全体の動向は、通常、SNAベースの消費性向で把握されるが、世帯や年齢別の消費動向はわからず、家計調査ベースの消費性向データで補足しなければならない。このように、両者は補完関係にあるが、概念の違いがあり、消費性向の水準、動きは必ずしも一致しない。
 一方、日本の中長期的な消費動向を見通すうえでは、年齢・世帯別の消費性向の変化と高齢化の影響を峻別して織り込んでいく必要がある。そのためには、SNAベースと家計調査ベースの概念を調整し、連携が取れるようにすることが求められる。
 本稿では、両者の概念の違いに関する多くの先行研究を踏まえ、予測フローに織り込めるよう、できる限り簡易に両者の調整を行うことを試みた。
 その結果、両者の乖離は小さくなり、将来的な平均消費性向を家計調査を用いて年齢別に求めた上で、人口構成の予測を用いれば、高齢化を織り込んだSNAベースの平均消費性向の動きを予測することが可能になる。また、過去に遡及して家計調査のデータを見た場合、家計調査からSNAの平均消費性向を詳細に分析することが可能となる。

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目次

<要旨>
1. はじめに
2. 定義の調整(SNAベースから家計調査ベースへの調整)
3. 対象世帯の調整(家計調査からSNAへの調整)
4. 概念調整後のSNAベースと家計調査ベースの消費性向
5. おわりに
<参考文献>
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