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ここ数年、中国について、ありとあらゆる方面で関心が高まっています。成長率の低下や為替、株式相場の乱高下などの経済ニュースだけでなく、周辺国との領土・領海問題や米国との対立と協調といった外交問題、さらには、一向に改善しない大気汚染や大挙してやってくる訪日観光客の「爆買い」まで、話題は実に多岐にわたります。
中国の実像をはかるには、中国が置かれた状況と、それに指導部がどう対応しようとしているのかを理解する必要があります。短期的な経済の動向だけでは中国の実力は判断できないし、指導部が目指す方向を見誤ると将来も予想できません。
本報告書は習近平国家主席が唱える「新常態(ニューノーマル)」という言葉をキーワードとして、中国の指導部が何を考え、中国をどのような方向に導こうとしているのかについて、研究、分析することを目的としています。「新常態」とは構造転換を目指すもので、習近平政権はこの大方針に従って政策を進めようとしています。本報告書も経済、政治、社会と各方面で展開されている構造改革の目的や実施状況、今後の行方などについて、詳しく解説し、それによって、中国の実像をなるべく正確に捉えようとしています。
各章はそれぞれの分野で優れた業績を残されている第一線の研究者に執筆を依頼しました。座長には中国の労働・人口問題の権威で、中国経済経営学会の会長も務めておられる厳善平・同志社大学教授にお願いしております。構造改革の最大の焦点である国有企業問題については、中国の著名な経済学者である張文魁・中国国務院発展研究センター企業研究所副所長に執筆していただきました。
転換期を迎えた中国がどうなっていくのか。本報告書が中国の今後を考える一助となれば幸いです。
湯浅健司:日本経済研究センター事務局長補佐兼主任研究員兼国際アジア研究部中国研究室長
厳善平:同志社大学グローバル・スタディーズ研究科教授
瀬口清之:キヤノングローバル戦略研究所研究主幹
田中修:日中産学官交流機構特別研究員
福本智之:日本銀行北九州支店長(前北京事務所長)
張文魁:中国国務院発展研究センター企業研究所副所長
厳善平:同志社大学グローバル・スタディーズ研究科教授
朱建栄:東洋学園大学グローバル・コミュニケーション学部教授
青山瑠妙:早稲田大学教育・総合科学学術院教授
周瑋生:立命館大学教授
泉宣道:日本経済研究センター研究主幹
湯浅健司:日本経済研究センター事務局長補佐兼主任研究員兼国際アジア研究部中国研究室長
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