【ポイント】
- 米国と中国が安全保障や経済の懸案を話し合う米中戦略・経済対話では中国の鉄鋼の過剰生産問題が焦点の1つとなった。中国はこれ以上、生産能力を増やさないことを約束したとされるが、能力削減については実行できるかどうか疑わしい。
- 中国経済は4~6月期の実質成長率が1~3月期と同じ6.7%に落ち着くとの見方がある。能力削減が進まないのは、経済が小康状態を保ちつつある中、構造改革の機運がしぼんでしまう恐れがあるからだ。習近平国家主席は危機感を強め、改革断行の強いメッセージを放った。
- ただ、構造改革の断行は反対勢力からの反発を招く。2017年秋の共産党大会を控えて、鉄鋼の過剰生産問題は経済だけでなく、政治問題の色彩も帯びており、問題を一層複雑にしている。
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