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中国・アジアウォッチ 中国・現地レポート

高度成長続ける内陸の拠点、重慶市

――格差是正、産業構造転換で成果

湯浅 健司
  首席研究員兼中国研究室長

2016/11/11

 中国の内陸最大の都市、重慶市がいま、脚光を浴びている。中国経済が減速感を強める中、2ケタ成長を続け、2014年以降は全国の主要都市で最も高い成長率を維持している。産業構造の転換や都市と農村の格差解消など、中国が直面する課題にいち早く対応した成果であり、中央の指導部もその発展モデルを評価する。長く同市のトップを務めた薄熙来氏は権力闘争の荒波にもまれ12年に失脚。薄氏の後任である孫政才・党委書記は今日の発展を評価されて、中央指導部入りが噂される。経済、政治の両面において注目の的となった重慶市。現地を訪れ、その活力の源泉を探った。

中国全体と重慶市の実質経済成長率の推移

【ポイント】

  1. 中国の内陸最大の都市、重慶市が安定した経済成長を続けている。2ケタの実質経済成長率を維持し、2014年以降、全国の主要都市で最も高い伸び率となっている。
  2. 高成長の要因は戸籍制度改革などによる都市部と農村部の格差是正にある。ITや自動車といった産業が成長を続け、鉄鋼を始めとする重厚長大の国有企業に依存してきた産業構造の転換も円滑に進んでいる。
  3. 一連の政策は、権力闘争の末に失脚した薄熙来氏が残した功績である。薄氏が掲げた「重慶モデル」は、閉塞感が漂う中国経済が今後、進むべき道を示している。現地では薄氏の手腕を惜しむ声は少なくない。
※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから

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