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中国・アジアウォッチ シリーズ企画「シンガポール、起業国家への挑戦」 (第1回)

「ブロック71」にスタートアップ集積

――シンガポール国立大、海外企業留学が奏功

上原 正詩
  アジア予測室長兼主任研究員

2017/01/04

 シンガポールがハイテク起業を促すことでイノベーションを創出する「スタートアップ国家」構築に向けて邁進している。シンガポール国立大学(NUS)などが設けたインキュベーション施設「ブロック71」はIT系を中心に250社超のスタートアップがすでに集積する。「ブロック71」は起業家育成のモデルケースとなっており、同国政府は人工知能(AI)やロボット工学など「ディープテック」振興にも成功体験を広げようとしている。中央銀行に相当するシンガポール金融通貨庁(MAS)も、金融とITの融合であるフィンテックの企業育成に乗り出している。その一環で世界のフィンテック関係者を一堂に集めた「シンガポール・フィンテック・フェスティバル」を11月に開催した。「ブロック71」や「フィンテック・フェスティバル」の様子など、シンガポールにおけるスタートアップ育成政策の現状や実際のスタートアップの横顔などを4回に渡りレポートする。

ブロック71

【第1回のポイント】

  1. シンガポールが「スタートアップ国家」の構築に向けて邁進している。世界10指のスタートアップ・ハブにも選ばれ、東南アジアの「シリコンバレー」とも目されている。
  2. それを象徴する場所「ブロック71」には情報技術(IT)系を中心に250 社超のスタートアップが集積する。シンガポール国立大学(NUS)などが運営する施設で、15年前に始めた海外でのインターンシップ留学制度が実を結んだ。
  3. NUSだけでなく、新設されたばかりのシンガポール工科デザイン大学(SUTD)も起業家教育に力を入れ、すでに13社のスタートアップが生まれている。