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中国・アジアウォッチ

米国境調整のアジア経済への影響

―米輸入関数を用いた関税引き上げ効果の推計

田原 健吾
  データサイエンス研究室長兼主任研究員

2017/03/24

 17年1月に米大統領に就任したトランプ氏は、「アメリカ・ファースト」をスローガンに、従来の通商政策を見直す方針を打ち出している。就任早々、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を宣言する大統領令に署名し、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉も表明した。多額の貿易赤字を問題視し、選挙期間中には中国の為替操作国認定や、高率の関税導入の可能性にも言及しており、世界的な保護主義の広がりやその悪影響への懸念が高まっている。

米国の10%関税による各国のGDPへの影響

【ポイント】

  1. 米国で検討される法人税の国境調整措置は、輸入関税・輸出補助金と同等の効果を持つ。法人税率20%の場合、25%の輸入関税・輸出補助金に相当する。
  2. 米国輸入の価格弾性値を推計し、米国の関税引き上げによるアジア各国の貿易への影響を、第三国を通じた波及効果も含め推計した。
  3. ドル高が影響を一部相殺して10%関税相当の影響が出る場合、中国のGDPを0.2%、ASEANも平均0.2%押し下げる。為替が動かず、25%の関税引き上げの影響が得る場合は、中国、ASEANともに0.5%のGDP押し下げとなる。
※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから

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