一覧へ戻る
中国・アジアウォッチ

タイ、デジタル政策「タイランド4.0」推進

―デジタル・パークにIoT研究所、投資呼び水に
―ベトナムのイノベーション力に危機感

上原 正詩
  アジア予測室長兼主任研究員

2017/09/07

 軍事政権下のタイがデジタル経済の進展への対応を急いでいる。国営通信会社CATテレコムを通じてデジタル関連企業の集積拠点「デジタル・パーク」を南東部に建設する構想を打ち出した。デジタル経済を先導する外資系企業を誘致し、タイでもイノベーションを生み出そうという発想だ。このほど投資の呼び水となるタイ側の施設として「IoT研究所」の設置の方針を打ち出した。デジタル政策を統合的に進める「デジタル経済社会省(MDES)」も新たに設けて、幅広い分野に影響するデジタル化の推進や省庁間の政策調整を図っている。1.4倍の人口を抱えるベトナムが投資先としての魅力やイノベーションを生み出す潜在力を高めており、何もしなければベトナムの後塵を拝するとの危機感をタイは抱いている。外資誘致だけでなく、イノベーションの原動力となるスタートアップの育成にも乗り出しており、日本の協力への期待も高まっている。

デジタル経済社会省が入る政府合同庁舎

【ポイント】

  1. タイ政府はデジタル関連企業の集積拠点「デジタル・パーク」を南東部に建設する。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の研究所を設置し、海外からの投資の呼び水にする考え。
  2. デジタル経済への移行を説く新ビジョン「タイランド4.0」実現のため、「デジタル経済社会省(MDES)」を新設した。総合的なデジタル政策の推進・調整を図る狙いだ。
  3. デジタル政策を加速する背景には、イノベーション力が高いと評価されるベトナムへの危機感がある。
  4. ピチェート・デジタル経済社会相、サンパチャイCATテレコム社長はインタビューで、日本企業への期待やIoTの可能性について語った。
※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから

キーワード