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中国・アジアウォッチ 【2017年度中国研究事業から】

中国・吉利自動車、ダイムラーに出資も

――積極的なM&Aと技術力強化で急成長

湯浅 健司
  首席研究員兼中国研究室長

2017/12/15

 日本経済研究センターでは2017年度の中国研究事業として、「変身する中国・新産業論~ニューエコノミーの衝撃」というテーマで来年春までに報告書を作成する計画だ。中国の産業分野における新しい動きや中国企業の実力、それを支える政府の政策などを様々な角度から分析、研究する。本稿は中間報告の形で、報告書の一部を抜粋した。

浙江吉利控股集団の販売台数の推移

【ポイント】

  1. 世界の自動車業界で急速に高まっている「脱ガソリン車」の潮流は、国際的な企業の勢力図を大きく書き換える可能性がある。中国のメーカーにとって電気自動車(EV)など新エネルギー車の分野では世界に追いつくチャンスが広がっている。
  2. 民族系の完成車メーカー、浙江吉利控股集団(吉利自動車)は、今後の中国の自動車業界で台風の目となりそう。李書福董事長の優れた経営手腕により、同社はここ数年、急速に業績を伸ばしている。
  3. 2010年のボルボ買収に続き、独ダイムラーへの資本参加も検討しているとされる。積極的なM&Aにより、世界市場に本格進出する機会をうかがっている。
※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから

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