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中国・アジアウォッチ ~ASEANのエコノミストと議論

反グローバル化より民族・宗教問題に注意

―東南アジア、不満や格差、欧米とは違う構図

田原 健吾
  データサイエンス研究室長兼主任研究員

2018/02/09

 2016年の英国の欧州連合(EU)離脱決定(Brexit)やトランプ米大統領選出を契機に世界的に議論の的になっている反グローバル化やポピュリズムについて、東南アジアはどんな視点で見ているのか――現地エコノミストの来日を機に討論した。日本でよく紹介される欧米の議論とは異なる論点として、東南アジアでは、反グローバル化というよりも民族や宗教と結びついたポピュリズムをリスクとして注視する認識が示された。

各国の海外からの移民及び国外への移民の数

【ポイント】

  1. ASEAN域内では人の移動での統合も進み、出し手・受け手の双方に恩恵
  2. 移民受け入れ国では不法労働者への対応が課題
  3. 一律の通商ルールには限界、「二国間」のメリットも
  4. 中国の影響が急速に増大。恩恵とリスク双方が拡大
  5. 「反グローバル化」の経済的影響よりも、民族や宗教に関わるポピュリズムを危惧
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