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中国・アジアウォッチ シリーズ企画「インド創業旋風」 (第3回)

デリー、衛星都市と起業ハブ結成

工科大学やIT業界団体が旗振り

上原 正詩
  アジア予測室長兼主任研究員

2018/05/09

 インドでIT(情報技術)などテクノロジーを利用したスタートアップの創業が活発になっている。同国のスタートアップ数は1万社を超え、世界でも有数の起業大国となった。スマートフォン(スマホ)の爆発的普及でどこでもだれでもインターネットが利用できるようになり、動画アプリやフィンテック関連のスタートアップが躍進している。ブームの根底には長年に渡るIT技術者の育成とその蓄積がある。2014年に誕生したナレンドラ・モディ政権が16年から起業支援に本格的に取り組み始めたことも流れを後押ししている。日本経済研究センターでは“起業旋風”吹き荒れるバンガロール(カルナータカ州)、デリー首都圏、アーメダバード(グジャラート州)、ジャイプル(ラジャスターン州)の4都市を3月に訪問し、各地のスタートアップ生態系(エコシステム)を調査した。本リポートは4回シリーズの第3回。

ノイダにあるNASSCOMの本部

【第3回のポイント】

  1. デリーはグルガオン(ハリヤナ州)、ノイダ(ウッタル・プラデシュ州)といった衛星都市とともにデリー首都圏(NCR、National Capital Region)を形成し、インド最大の起業ハブとなっている。
  2. デリーNCRの人材供給源の一つがインド工科大学デリー校(IITD)だ。ユニコーン企業の創業者を数多く輩出し、最近ではバイオ企業の育成に力を入れている。
  3. IT(情報技術)業界団体の全国ソフトウエア・サービス企業協会(NASSCOM)も、本部のあるノイダを始め全国にインキュベーターを展開する。インドのスタートアップ生態系(エコシステム)で中心的役割を果たしている。