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産業ピックアップ

グローバル需要の取り込みとICTフル活用の基盤を

訪日外国人8000万人と自動運転の早期社会実装を
非製造業の生産性向上に課題も

主査:小林 辰男
  政策研究室長兼主任研究員
総括:加藤肇 主任研究員
   

2018/03/22

 人口減少が労働力供給、需要の面から産業の成長制約となることが懸念されている。すでに運輸・郵便業、宿泊業・飲食サービス業等を中心に人手不足が顕在化しており、今後も人口減少による人手不足は続くと予想される。中長期の持続的な成長を実現するには、当センターの「第44回中期経済予測」で提言された健康寿命の延伸により高齢者の労働参加を促すことに加え、外需の取り込みやAI(人工知能)やIoT(Internet of Thing、モノのインターネット)、ビッグデータといった最先端の情報通信技術(ICT)を中心としたテクノロジーの活用による産業・社会基盤の強化が必要だ。

<ポイント>
  1. 訪日客8000万人で23兆円の経済波及、越境ECも3倍に
  2. モビリティ革命で30兆円の新市場、省力化で1000万人以上の効率化も
  3. 勝ち組・負け組が明確化――産業別の生産性向上に大きな差

図 主な業種の労働生産性の伸びの予測(年平均) 図 主な業種の労働生産性の伸びの予測(年平均)

(注)労働生産性は経済活動別GDP/時間・人、予測は当センター。2017年12月に公表した産業ピックアップ「第4次産業革命 人口減少下の日本」と予測手法は同じ。
(資料)国民経済計算年次推計

各論
(1)農業・食料品:訪日客の増加は農産物輸出の起爆剤に
(2)化学:エチレン生産は減少の見通し
(3)鉄鋼:自動車生産台数減により粗鋼生産量は標準シナリオを下回る
(4)機械:産業用ロボットは国内外共に市場が大きく拡大
(5)エレクトロニクス:異業種との連携・融合がエレクトロニクス産業再生のカギ
(6)自動車:CASEが進展した場合、国内生産の25%が次世代車に
(7)情報通信:外資系プラットフォーマーとの直接対決は避けるべき
(8)運輸:訪日客増で旅客輸送は上ぶれも、国内輸送の減少は止まらず
(9)小売:ネット通販市場がスーパー、コンビニを上回る規模に
(10)建設・不動産:サービス化進展で工場建設が減少、倉庫は上ぶれ
(11)観光:訪日外国人の増加で宿泊需要増え、人手不足が一層深刻化
(12)医療・介護:介護ロボット普及にはコスト・機能両面で課題
(13)フィンテック:金融機関がRPAにより業務効率化

旧サイト掲載分(~2018年3月)はこちらをご覧ください。