一覧へ戻る
中国・アジアウォッチ

中国、景気テコ入れへ方針転換

――国内の不満に配慮? 対策には限界も

湯浅 健司
  首席研究員兼中国研究室長

2018/08/09

 中国共産党・政府は、下期から積極的な財政・金融政策による景気拡大に乗り出す方針を決めた。米国との貿易戦争がもたらす悪影響などを払拭し、実質経済成長率「6.5%」という政府目標をなんとしても達成する構えだ。上期は公共投資の抑制により経済の緩やかな減速を容認していたが、ここに来て、国内では様々な不満が高まっており、万が一、景気が急速に悪化すれば、政権の責任を問う声が一層強まるのを懸念したものとみられる。

中国の国内投資の伸び率の推移

【ポイント】

①中国は下期の経済運営の方針として、景気刺激を重視する姿勢を打ち出した。公共投資の積み増しなど積極的な財政政策を実施すると見られる。

②背景には、国内の不満の高まりや米中貿易戦争が激化する懸念がある。ただ、無闇な投資の拡大は「過剰債務の削減」という、ここ数年の大方針をうやむやにする恐れがある。

③経済運営を巡っては、指導部の権力関係にも影響を及ぼしそう。現在、行われている重要会議「北戴河会議」でどのような話し合いがされるのか、その行方が注目される。
※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから

キーワード