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中国・アジアウォッチ シリーズ企画「転機の朝鮮半島」 (第1回)

南北首脳会談で見せた北朝鮮の対話戦略

――経済建設に軸足シフト、制裁緩和狙う

伊集院 敦
  首席研究員

2018/05/01

 朝鮮半島情勢が歴史的な転換点を迎えようとしている。韓国と北朝鮮の間では2月の平昌オリンピックを機に対話ムードが拡大。4月27日に開いた3度目の南北首脳会談では平和構築に最大の力点を置き、両者は交流と協力の拡大を打ち出した。6月初旬までに開催予定の史上初の米朝首脳会談では、最大の懸案である北朝鮮の核問題や平和協定の締結で突破口が開かれ、世界経済を揺るがす地政学リスクの低減につながるのか。転機の朝鮮半島情勢を経済中心にシリーズで分析し、北東アジア経済の将来を展望する。

「板門店宣言」のポイント

【第1回のポイント】

① 3度目の南北首脳会談は6月初旬までに開催予定の米朝首脳会談に向けた「準備会合」の色彩が強く、非核化と平和体制構築の協議に向けた環境整備に力点が置かれた。

② 北朝鮮は南北対話を先行させて米朝交渉の条件を整える「先南後米」の政策を展開しており、安全保障面では米国との国交正常化や平和協定の締結、経済面では国際社会による制裁緩和と経済協力を狙っている。

③ 北朝鮮は一連の首脳会談を前に「経済と核の並進路線」を修正し、経済建設に集中する方針を打ち出した。今後は、それを実現可能にするための外交活動に力を注ぐ見通しだ。金正恩委員長は文在寅大統領との会談でインフラ整備への関心を示した。

④ 北朝鮮の対話路線、経済重視への転換は早い段階から計画されていた戦略と見られるが、対外関係の進展や国内情勢次第で不安定な面があり、今後、関係国との間で続く首脳外交や経済政策の行方を見守る必要がある。

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