国際送金市場が成長を続けている。移民数の増加などグローバル化の深化が背景で、2017年の市場規模は過去最高になったもようだ。100年を超える歴史をもつ送金ビジネスは、長らく先進国の銀行と送金専門事業者の二者がほぼ独占してきた。だが近年の市場規模の拡大が刺激となり、足元では新興国を含めた携帯通信、モバイル決済、ブロックチェーン(分散型台帳)の企業など新勢力の参入が相次ぐ。利用者の支払うコスト(手数料)の下落も進んでいる。かつてないほどの盛り上がりをみせる送金ビジネスの現状について、全2回にわたりレポートする。
【(上)のポイント】
- 国際送金市場が成長を続けている。グローバル化で出稼ぎ労働者を含む移民が増えてきたことが背景にあり、2017年の市場規模は過去最高を更新したもようだ。
- 通信技術の発達で本格化した国際送金ビジネスは、当初は銀行と送金専門業者の独壇場だった。しかし近年、新興国を含め世界でインターネット、携帯端末、モバイル決済が普及し、IT(情報技術)を駆使したフィンテック企業の参入が相次ぐ。
- ペイパルやトランスファーワイズなど、送り手である米英系のフィンテック企業が先行する。受け手である新興国では銀行口座以上に携帯端末が普及し、国際送金でも携帯端末を利用した新興国企業のサービスが台頭する兆しをみせている。
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