マレーシアで建国以来初の政権交代が実現した。JCER/Nikkei「アジア・コンセンサス」調査回答者のケナンガ・インベストメントバンクのワン・スハイミ経済部長に、選挙結果の分析や経済の行方を展望するレポートを寄稿してもらい、その内容を紹介する。
【ポイント】
- 野党連合「希望連盟」の勝利の背景には、政府系ファンド「1MDB」の資金流用疑惑などに対する国民の怒りがあった。さらに物価上昇などにより、経済成長の恩恵が生活水準上昇に結び付かなかった不満がある。ただ事前予想ではこうした変化を読み切れず、選挙結果は驚きを持って受け止められた。
- 新政権の政策で特に注目するのは消費税(GST)の廃止と、それに代わる新税導入や歳出削減の具体策だ。インフラなど大規模プロジェクトの再点検・見直しも焦点だ。中国が関わるプロジェクトの見直しも行われるが、マレーシア・中国関係全体に大きな変化が生じることはない。
- 政権交代は短期的には不確実性を高める。しかし政策の移行は全体的に適切に行われ、2018年の経済は5.5%成長のペースを維持できると予想する。
◆関連レポート◆
・マレーシア政権交代、物価高・汚職に都市部反乱 中国関連事業を見直し、タイには心理的影響も
・アジア・コンセンサス調査
※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから
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