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金融研究

日銀の損失、今すぐ出口に向かうとどのくらいか

2017年度金融研究報告③

左三川(笛田) 郁子
  金融研究室長兼主任研究員
高野 哲彰
  副主任研究員

2017/08/30

日本銀行が2013年に始めた量的・質的金融緩和(QQE)政策、通称「異次元緩和」からの出口論が盛り上がっている。米国や欧州が出口に向かい始めたことに加えて、将来日銀に発生する損失という副作用を考えてもなお、緩和を続ける意味があるのかが問われ出した。本リポートでは、もし日銀が今すぐ出口に向かったら、どのくらいの損失が発生するかを考えてみたい。異次元緩和が長引けば損失はさらに大きくなると予想されるため、本リポートで示す損失額は「少なく見積もってもこのくらいにはなるだろう」というボトムラインである。