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中国・アジアウォッチ シリーズ企画「中国、AI、イノベーション」 (中)

北京、大学とVCが集積

創業ストリートなど出会いの場も充実

上原 正詩
  部長兼主任研究員

2018/10/04

概要

 北京市はユニコーン企業数で中国全体の4~5割を占め、上海や杭州、深圳を圧倒している。人工知能(AI)など高度な知識が必要なディープテック系スタートアップで特にその存在感を増している。北京の強みは大学、政府系研究機関の集積だ。全国の優秀な若者、研究者が北京の磁力に引かれて集まり、技術シーズを生み出す。厚い人材層の中から創業を志す人材も生まれ、そこにベンチャーキャピタル(VC)が資金を供給する。創業を支援するカフェが集まる「ストリート」や大学や大企業が整備するインキュベーション施設も起業家とVCの出会いを仲介する。研究開発費や研究者などのインプットから、スタートアップやイノベーションを効率的に生み出す仕組みが整いつつあるようだ。(本レポートは「中国、AI、イノベーション」3回シリーズの第2回)

【(中)のポイント】

  1. イノベーション、人工知能(AI)で存在感が増す北京。その強さは大学、国の研究機関、ベンチャーキャピタル(VC)の集積にある。北京昿視科技(メグビー・テクノロジー)、寒武紀科技(カンブリコン)などAI系ユニコーン企業も輩出している。
  2. 北京には大学などから生まれる起業家と、資金を提供するVCを結びつける仕掛けがいくつかある。代表的な事例が「中関村創業大街」だ。ほかに製造業に特化した「中関村智造大街」もあり、アクセラレーター大手の米プラグ・アンド・プレイ(PNP)が進出している。
  3. 清華大学系の「啓迪之星(Tusスター)」、首鋼集団が出資する北京創業公社投資発展(Vスタートアップ)など大手もインキュベーション施設の運営、スタートアップへの投資に乗り出している。北京での成功体験を中国各地に広げようとしている。