▼ポイント▼
- 米国の住宅投資が減少に転じている。住宅投資は、2018年に入り3四半期連続でマイナス成長となり、弱い動きが続いている。住宅販売戸数が頭打ちであるほか、新築住宅価格の増勢も歯止めがかかるなど、住宅需要は低下している。
- 金利の上昇が住宅需要の弱さにつながっている。政策金利の引き上げで住宅ローン金利は上昇しており、18年10月には8年ぶりに5%台に達した。試算によれば、金利上昇は、2018年に入り住宅投資を6.0%下押しに寄与している。
- 米国経済は大型減税に支えられて好調であり、今のところ、住宅投資の減少が景気全体に及ぼす影響は小さい。リーマン・ショック時と異なり、金利上昇によるデフォルト増加が、金融機関のバランスシート悪化を通じて、住宅投資を一段と減少させる可能性も低い。
- ただし、政策金利は今後も引き上げられる見込みであり、住宅投資の弱さは続く可能性がある。景気全体への影響が注目点となる。
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