▼ポイント▼
- 女性労働力率の「M字カーブ」は長い目でみて解消に向かっている。近年のM字カーブのこうした傾向は、「既婚者の労働参加」を主因としており、「未婚者の増加」を主因としてきた80年代から00年代までの状況から大きく変化している。これには、人手不足が強まるなかで、子育てを支援する法整備が進んだことが一因となっている。
- 女性のうち、求職活動をしていない「就業希望者」は262万人(17年)にのぼり、労働力として女性を活用する余地はなお大きい。仮に、この就業希望者が労働力となった場合、M字カーブはほぼ解消され、経済成長率を相応に押し上げる可能性がある。既婚女性の労働参加は、労働力の面でも、生産性の面でも経済成長に望ましい効果を及ぼしうる。
- M字カーブの一段の解消には、出産・育児がしやすい職場環境の整備が急務である。出産・育児のため自発的に退職する女性は4割を超える。これを踏まえると、育児の傍ら元の職場へ復帰する「両立型」の女性への対策だけでなく、「再就職型」の女性に向けた再雇用制度の普及が重要となる。
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