一覧へ戻る
経済百葉箱 第127号

「M字カーブ」解消要因は既婚者へシフト

―復職しやすい環境整備し、さらに後押しを―

中村仁美、<監修>短期経済予測主査:西岡慎一、総括:宮﨑孝史
   

2019/02/01

▼ポイント▼

  • 女性労働力率の「M字カーブ」は長い目でみて解消に向かっている。近年のM字カーブのこうした傾向は、「既婚者の労働参加」を主因としており、「未婚者の増加」を主因としてきた80年代から00年代までの状況から大きく変化している。これには、人手不足が強まるなかで、子育てを支援する法整備が進んだことが一因となっている。
  • 女性のうち、求職活動をしていない「就業希望者」は262万人(17年)にのぼり、労働力として女性を活用する余地はなお大きい。仮に、この就業希望者が労働力となった場合、M字カーブはほぼ解消され、経済成長率を相応に押し上げる可能性がある。既婚女性の労働参加は、労働力の面でも、生産性の面でも経済成長に望ましい効果を及ぼしうる。
  • M字カーブの一段の解消には、出産・育児がしやすい職場環境の整備が急務である。出産・育児のため自発的に退職する女性は4割を超える。これを踏まえると、育児の傍ら元の職場へ復帰する「両立型」の女性への対策だけでなく、「再就職型」の女性に向けた再雇用制度の普及が重要となる。

バックナンバー

2021/07/12

経済百葉箱 番外編<2021年度>―コロナ禍の課題、「解決策」を探る―

2021/05/27

コロナ禍の新興国への証券投資、流出は景気下押しに

藤原和也、丸山大介 <監修>短期経済予測主査:稲葉圭一郎

2021/03/29

良好な企業財務、21年度設備投資は反発へ

小野公嗣、杉本直隆、原澤大地 <監修>短期経済予測主査:稲葉圭一郎 総括:松尾朋紀

2021/03/26

休業増と労働時間減で守られた雇用

山本大輔、伊禮琢人、末永弘樹、丸山大介 <監修>短期経済予測主査:稲葉圭一郎 総括:松尾朋紀

2021/03/19

民間消費、潜在的なペント・アップ需要は約9兆円

小澤智彦、小野公嗣、山本大輔 <監修>短期経済予測主査:稲葉圭一郎 総括:松尾朋紀