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金融研究

次の景気後退時に日銀が取り得る選択肢

主査:左三川(笛田) 郁子
  金融研究室長兼主任研究員

2019/03/01

世界景気の下方リスクが高まり、これまで金融正常化に向かっていた米連邦準備理事会(FRB)や昨年末に量的緩和政策を打ち切った欧州中央銀行(ECB)が、ここにきて慎重な姿勢を強めている。海外経済のリスクの高まりは、戦後最長の景気拡大局面にあると言われる日本にも暗い影を落とす。日本銀行は2013年4月以降、黒田東彦総裁の下で一連の量的・質的金融緩和政策、通称「異次元緩和」を続けてきた(現行の政策は「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」)。異次元緩和はまもなく7年目を迎えるが、この間、日銀は政策金利の引き上げやバランスシートの縮小に踏み切ることはなかった。それどころか、最近では市場関係者や専門家らが、さらなる金融緩和に向けた日銀の次の一手について議論している。
日本が今後、景気後退に陥ると、日銀も追加緩和を検討せざるを得なくなる。追加緩和と聞いてまず先に思い浮かぶのはマイナス金利の深掘りである。景気刺激効果を考えれば、日銀は民間銀行から受け入れた預金にマイナス金利を課すよりも、民間銀行にマイナス金利でマネーを貸し出す方が有望かもしれない。

日銀が今後とり得る政策オプションや長引く異次元緩和が地域金融機関の経営に及ぼす影響について、説明会でお話いたします。
<説明会を開催> ※会員限定
東京:3月7日(木) 14:00~16:00  / 大阪:3月8日(金) 14:00~15:30