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中国・アジアウォッチ シリーズ企画「北米、飛躍する起業都市」 (第3回)

シリコンバレーでムーンショットを狙え

シンギュラリティ大学など世界的課題に挑戦

上原 正詩
  主任研究員

2019/05/22

 日本経済研究センターではデジタル経済をけん引する米国西海岸の3都市圏(サンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル)、さらにカナダのバンクーバーを3月に訪問し、アクセラレーターを中心にエコシステムの実態や地域経済との関係、新しいイノベーションのトレンドを探ってきた。特に米国3都市圏は第4回アジア中期予測「アジア、浮かぶ都市、沈む都市」で、2030年時点の1人当たり名目地域総生産(GRP)で77都市中トップ5に入ると予測された都市である 。本シリーズでは、スタートアップのデーターベース分析と合わせて、北米のスタートアップ都市の秘密をリポートする。本レポートはその第3回。

シンギュラリティ大学(SU)本部

【第3回のポイント】

  1. アクセラレーターは比較的少額で始められるソフトウェア系のスタートアップを支援するケースが多いが、シリコンバレーにはより大規模な「ムーンショット」的スタートアップを育てるアクセラレーターが存在する。その代表がシンギュラリティ大学(SU)だ。
  2. グーグルは「ムーンショット工場」を標ぼうした別会社X(Xディベロップメント)で、自動運転技術やドローン配送などのスタートアップを育成している。
  3. ブーストVCは「SFを実現する」を掲げ、空飛ぶスーツなどの技術開発スタートアップに投資している。