日本経済研究センターではデジタル経済をけん引する米国西海岸の3都市圏(サンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル)、さらにカナダのバンクーバーを3月に訪問し、アクセラレーターを中心にエコシステムの実態や地域経済との関係、新しいイノベーションのトレンドを探ってきた。特に米国3都市圏は第4回アジア中期予測「アジア、浮かぶ都市、沈む都市」で、2030年時点の1人当たり名目地域総生産(GRP)で77都市中トップ5に入ると予測された都市である 。本シリーズでは、スタートアップのデーターベース分析と合わせて、北米のスタートアップ都市の秘密をリポートする。本レポートはその第4回。
- ロサンゼルスはベイエリア、ニューヨークに次ぐユニコーン企業数を誇るスタートアップ都市だ。西のサンタモニカを中心とする「シリコンビーチ」にスタートアップ生態系が形成されつつある。
- 「シリコンビーチ」には米国有数のアクセラレーターがある。マッカーラボとアンプリファイLAだ。インキュベーター型のサイエンスもユニコーンを生み出している。
- カリフォルニア工科大学(カルテック)のあるパサデナにも、歴史のあるインキュベーター、アイデアラボがある。新エネルギー分野にも投資しているのが特徴だ。
- ロサンゼルスにはモビリティ(移動)関連のスタートアップも数多く集積している。2028年のロサンゼルス五輪に向けて、新エネルギーとモビリティ関連ビジネスが盛り上がる可能性がある。
・第4回アジア経済中期予測 「アジア、浮かぶ都市、沈む都市」
シリーズ企画「北米、飛躍する起業都市」
・【第1回】突出するベイエリア、ユニコーン6割集中――背後にアクセラレーター「Yコンビネーター」
・【第2回】ベイエリア、サンフランシスコに重心移動――アクセラレーター、差別化競う
・【第3回】シリコンバレーでムーンショットを狙え――シンギュラリティ大学など世界的課題に挑戦
・【第5回】シアトル、マイクロソフトが生態系中心に――アマゾン、ワシントン大とトライアングル形成へ
・【第6回】バンクーバー、デジタル娯楽産業が勃興――「カスカディア回廊」と新移民政策が追い風に
シリーズ企画「中国、AI 、イノベーション」
・【上】中国、イノベーション先進国に――特許、論文数で米凌駕、北京中心にAI振興
・【中】北京、大学とVCが集積――創業ストリートなど出会いの場も充実
・【下】合肥、音声認識で「声谷」形成――科大訊飛と中国科技大が核に
※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから
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