日本企業の中国ビジネスに関わる様々な問題を、各方面の専門家にインタビューして解説するシリーズ「中国ビジネス そこが知りたい」。第3回のテーマは「中国における会計不正」。今年に入って、日本企業が中国に持つ関連会社で会計や資金不正が発覚し、本社トップらの引責辞任に発展するまでの深刻なケースが相次いでいる。なぜ今、こうした問題が発生するのか。かつては中国に駐在しビジネスの経験も豊富な、一般社団法人与信管理協会の大宮有史専務理事(千葉商科大学大学院客員教授)に、リスクの背景や企業の注意点などを聞いた。
【第3回のポイント】
- 中国の会計制度は欧米や日本と大きく異なる点がある。原則上はグローバルスタンダードを採用しているが、実際は独自の商習慣に守られているケースがあり、それを知らないとトラブルに陥りやすい。
- 取引上のリスクも少なくない。日本でかつて横行した不正の手口をまねている例もある。経済成長の減速や米中摩擦の影響から、資金難などで行き詰った中国企業が日系企業を巻き込んで不正行為に走る可能性が高まっており、注意が必要だ。
- 今春以降、日本の大手企業で中国の関連会社の会計不正が相次いでいるが、多くの場合、日本側のチェックが甘かったと言わざるを得ない。現地化を進めるのは良いが、すべてを任せるのは危険だ。内部統制システムを中国にも広げる必要がある。
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