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朝鮮半島リポート (第4回)

韓国、南北関係打開へ9年ぶり食糧支援

不透明な食糧事情、北朝鮮は経済協力要求

朝鮮半島経済研究会
   

2019/07/10

 韓国政府が6月19日に北朝鮮に9年ぶりに食糧支援をすることを決定した。6月30日には板門店で南・北・米の首脳が対面するなど、2月末のハノイ米朝首脳会談が物別れに終わった後の膠着した朝鮮半島情勢に変化の兆しもある。韓国政府の食糧支援は、表向きは人道支援との位置づけだが、停滞している南北関係打開に向けた政治的な思惑が色濃くうかがえる。北朝鮮の食糧危機説はWFP(世界食糧計画)などが発表した報告書が根拠となっているものの、食糧事情の実態は不透明だ。支援を受ける北朝鮮側は謝意を示すどころか、本格的な経済協力に踏み切れないでいる韓国の文在寅政権に批判的である。食糧支援が本格的な南北関係の改善につながるかどうかはなお不透明だ。

【第4回のポイント】

① 韓国政府は世界食糧計画(WFP)を通じ、食糧難の北朝鮮に国内産のコメ5万トンを提供することを決めた。これに先立ち、800万ドルの人道支援もしており、停滞している南北関係の打開に役立てる思惑が見え隠れする。

② 北朝鮮の食糧危機説はWFPと国連食糧農業機関(FAO)が発表した報告書が根拠となっているものの、北朝鮮の食糧事情については諸説あり、実態は不透明な部分が少なくない。

③ 北朝鮮側は韓国の人道支援を事実上無視し、本格的な経済協力を求める姿勢を示している。韓国は米朝の仲介役を果たし、南北対話の促進につなげようとするが、その見通しはまだ不透明だ。

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