日本企業の中国ビジネスに関わる様々な問題を、各方面の専門家にインタビューして解説するシリーズ「中国ビジネス そこが知りたい」。第4回のテーマは「揺れる香港の行方」。香港では中国に逃亡犯を引き渡すことを可能にする「逃亡犯条例」改正を巡る抗議運動が長期化し、激しさを増している。中国と香港の関り、あるいは香港の将来を考えるうえで、今回の運動はどのような意味を持つのだろうか。事態の行方はどうなり、現地でのビジネスへの影響は広がるのだろうか。中国経済を研究し、香港駐在の経験もある亜細亜大学教授(同大学アジア研究所所長)の遊川和郎氏に聞いた。
【第4回のポイント】
- 2017年に行政長官に就任した林鄭月娥氏は当初、穏健路線を歩み、市民の評価も低くはなかったが、中国側の不満を受けて姿勢を変え、逃亡犯条例の改正を急ぐようになった。
- 中国寄りの姿勢が市民の反感を買い、大規模デモを引き起こした。条例改正が断念された今も、反対運動は鎮静化していない。中国の出先機関が襲われ、治安維持を口実にした中国の介入を招く恐れが出てきた。
- 今回の混乱は「1国2制度」の限界を露呈したともいえる。長期的には香港の競争力低下につながる危険性もはらんでいる。企業は香港が持つ機能をよく分析して、ビジネスを考えていく必要がある。
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※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから
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