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朝鮮半島リポート (第7回)

今年上期の中朝貿易が増加、一部回復の兆し

中国、北朝鮮の非核化と安定を両にらみ

朝鮮半島経済研究会
   

2019/08/19

 中国が10月6日の中朝国交樹立70周年を前に、経済面でも北朝鮮との関係を強化する動きを見せている。中国と北朝鮮の貿易は国連制裁などの影響で2018年は大幅な減少を記録したが、今年上半期は前年同期比で増加に転じ、一部の品目で回復の動きを見せている。品目ごとの動向を見ると、北朝鮮の非核化と安定の両にらみで対応する、中国のしたたかな意図を読み取れる。

【第7回のポイント】

① 民間の調査によると、今年1-6月の中国と北朝鮮の貿易額は12億5312万ドルで、前年同期比15.7%増加した。2015-17年の半分程度の水準にとどまっているものの、既に底を打った可能性がある。

② 中国の習近平国家主席は6月、平壌を訪問し、北朝鮮が主張する段階的非核化に理解を示すとともに、国連制裁の対象外である観光や民生分野への協力を打ち出した。北朝鮮の安定を重視し、農業や食糧の分野でも積極的な支援に乗り出そうとしている模様だ。

③ 中国は国連安保理での北朝鮮制裁決議を順守する方針で、核関連物質や技術の輸出は厳しく規制する姿勢を示してきた。貿易データからもその姿勢がうかがえるが、今後は中朝関係の強化を背景に制裁緩和を目指す動きも強まりそうだ。

④ 中朝の経済関係強化に伴い、北朝鮮における国際商品展覧会でも中国企業の姿が一段と目立つようになっており、中国企業の今後の動きが注目される。

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