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Discussion Paper Discussion Paper 149 (2019.10)

Global Imbalances and Demographic Changes

岩田 一政
  代表理事・理事長
前田 佐恵子 内閣府 大臣官房人事課 企画官(前・日本経済研究センター 主任研究員)
   
高野 哲彰
  副主任研究員

2019/10/01

本稿では、グローバル・インバランス(世界的な経常収支不均衡)と人口動態の変化の関係を評価し、主要国・地域(米国、ユーロ圏、日本および中国)における対外不均衡の2060年までの予測を提示する。開放経済下の新古典派成長モデルでは、経常収支の変化は、自国と貿易相手国・地域の貯蓄率、労働力成長率、技術進歩率の差によって説明される。純国民貯蓄率の大きな差が対外不均衡の主因となる。一方で、労働節約的技術進歩率は今後数十年をかけて収束に向かう。人口動態の変化は主に労働力人口の増加率によって表され、これは人口減少と高齢化の進行するスピードに依存する。

労働力人口の増加と生産性の向上によって、米国はGDP比2%程度の経常収支赤字が続き、対外純債務国にとどまる。米財政赤字のさらなる拡大は、対外債務を持続不可能な水準まで悪化させる可能性がある。対照的に日本では、高齢化の進行によって家計貯蓄率は低下するが、非金融法人部門における貯蓄が増加し、経常収支の黒字が累積する。ユーロ圏および中国も経常収支黒字を維持する。しかし、中国の非金融法人部門における過剰投資が膨らめば、中国の経常収支黒字は縮小し、米国の経常収支赤字の減少をもたらす。

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