北朝鮮が2日、日本海に向けて弾道ミサイルを発射するなど朝鮮半島情勢は予断を許さない状況が続いている。制裁で厳しいと言われている北朝鮮だが、地方の経済事情はどうか。研究会メンバーが訪問した東北部の咸鏡北道(清津市と鏡城郡)の様子をリポートする。
【第9回のポイント】
① 北朝鮮の経済は平壌から離れている咸鏡北道・清津市のような地方都市においても、中心部の再開発や公共交通システム改善など好転の兆しがみられる。
② 工業生産は業種によってバラつきが見られる。人民生活と密接な関係がある軽工業が先行し、基幹産業である鉄鋼などの重工業は復興の速度が比較的遅い。
③ 国際社会の経済制裁の影響もあって港湾の荷動きは鈍く、資材不足で産業基盤や物流インフラなどの整備も遅れている。
④ 政権が掲げる自力更生の成果はある程度認められるものの、経済を本格的な成長に乗せるためには国際社会による経済制裁の緩和と対外関係の改善が必要になる。その点からも、近く開催される米朝の実務者協議の行方が注目される。
① 北朝鮮の経済は平壌から離れている咸鏡北道・清津市のような地方都市においても、中心部の再開発や公共交通システム改善など好転の兆しがみられる。
② 工業生産は業種によってバラつきが見られる。人民生活と密接な関係がある軽工業が先行し、基幹産業である鉄鋼などの重工業は復興の速度が比較的遅い。
③ 国際社会の経済制裁の影響もあって港湾の荷動きは鈍く、資材不足で産業基盤や物流インフラなどの整備も遅れている。
④ 政権が掲げる自力更生の成果はある程度認められるものの、経済を本格的な成長に乗せるためには国際社会による経済制裁の緩和と対外関係の改善が必要になる。その点からも、近く開催される米朝の実務者協議の行方が注目される。
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・【第5回】経済制裁が北朝鮮の生産活動にも打撃――マイナス成長、5ヵ年戦略達成に暗雲
・【第6回】インフラ連結、経済協力の推進で合意――韓国大統領訪朝、実現性は非核化次第
◆書籍・報告書のご案内◆
2018年度アジア研究報告書「岐路に立つ朝鮮半島」(19年3月)
『朝鮮半島 地政学クライシス ―激動を読み解く政治経済シナリオ』(17年6月)
※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから
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