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経済百葉箱 第141号

海外ショックの伝播捉えるGVARモデル

―中国GDP下振れは貿易を通じ世界に波及―

佐藤洋介 <監修>短期経済予測主査:西岡慎一  総括:梶田脩斗
   

2019/10/08

▼ポイント▼

          • 世界の局所的に生じたショックが国際的にどのように伝播するのかを捉えるツールとしてGVAR(Global Vector Autoregressive)モデルが挙げられる。マクロ計量モデルなどの構造型モデルに比べて、GVARモデルは、現実の経済の動きへの当てはまりが良く、各国間のつながりを貿易取引データで描写していることに特徴がある。
          • Dees et al. (2007) のGVARモデルによると、中国国内総生産(GDP)の負のショックはアジアをはじめ世界経済に広く影響を及ぼす。中国のGDPが1%下振れすると、アジア新興国の多くでGDPが0.5%程度低下するほか、日本、米国、ユーロ圏といった先進国のGDPも有意に低下する。一方、EUからの合意なき離脱が懸念される英国や政府債務のデフォルトが嫌気されるアルゼンチンのGDP低下は、世界経済に有意な影響を及ぼさず、貿易チャネルを通じた影響は限定的である。ただし、金融仲介や対外資産・負債といった金融面のチャネルがモデルに十分取り込まれておらず、この結果が過小評価となっている可能性には注意を要する。

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