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朝鮮半島リポート (第12回)

再燃する北朝鮮への国連制裁緩和論議

非核化めぐり年末の攻防、中ロが支援

朝鮮半島経済研究会
   

2019/12/19

 北朝鮮が米国との非核化協議の期限として一方的に宣言した「年末」が迫り、米朝の駆け引きが激しさを増している。北朝鮮が軍事的緊張を高めて譲歩を引き出そうとする「瀬戸際戦術」に回帰する一方、米国は圧力強化で対抗する可能性を示唆。朝鮮半島情勢が再び緊張するリスクが高まる中、中国とロシアは国連安保理に制裁の一部緩和を求める決議案を提出した。米朝両国による神経戦と並行して、北朝鮮に対する制裁の緩和論議が一部で再燃しつつある。

【第12回のポイント】

① 北朝鮮が交渉期限に設定した年末を目前に控え、非核化問題をめぐる米朝の駆け引きは激しさを増す一方だ。米国のビーガン北朝鮮担当特別代表は12月中旬、東アジア諸国を訪問。北朝鮮に対話を呼びかけたが反応はなく、注目されていた南北軍事境界線上の板門店での接触も実現しなかった模様だ。

② 北朝鮮はこれまでの交渉で国連制裁の解除に強くこだわってきた。核・ミサイル実験を集中的に再開するようになった16年以降の制裁で鉱物資源の輸出や委託加工・海外労働者の派遣などの外貨獲得手段が封じられ、北朝鮮の経済活動に大きな影を落としている。

③ 中国とロシアは12月16日、制裁の一部緩和を求める決議案を国連安保理の理事国に配布した。北朝鮮による海産物・繊維製品の輸出禁止措置の解除や、北朝鮮労働者の送還義務の撤廃などを求める内容だ。友好国の北朝鮮を側面支援するとともに、米国を揺さぶる狙いもあると見られている。制裁緩和論議の先行きは不透明で、朝鮮半島の緊張がさらにエスカレートする可能性も否定できない。

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