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- 2019年10月からの消費増税による消費の駆け込みと反動減が生じている。この大きさは、前回増税時(14年4月)よりも幾分小さい。ただし、自動車や百貨店販売などの減少幅は大きく、増税を機に高額消費で基調としての弱さが顕在化している可能性がある。
- 消費の落ち込みを招きながらも、財政再建は道半ばであり、累増する社会保障負担に税収が追い付かない状況が続く見込みでは、今後も何らかの増税は不可欠と考えられる。政府債務の発散を防いできた「ドーマー条件」(国債利回りが成長率を下回ること)を満たす近年の経済環境が継続する保証もなく、増税で歳入基盤を強化することが重要である。
- 消費増税は、短期的な景気を悪化させる一方、中長期的には経済への負の影響は小さいとされる。簡単な推計によれば、法人税・所得税の税収シェアの1%分を消費税に置き換えると、1人当たりのGDPは1%ほど上昇するとの結果となる。社会保障改革や成長戦略の実行とともに、消費税を中心とした税体系に転換していくことが、経済成長と財政再建の両立を果たすうえで重要と考えられる。
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