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中国・アジアウォッチ

中国の新型肺炎、経済への打撃は必至

――現地研究者、「5%成長割り込む可能性も」

湯浅 健司
  首席研究員兼中国研究室長

2020/01/31

 中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の影響が、日増しに深刻度を増している。中国国内での患者数は一向に減る気配がなく、政府は本来なら30日で終了するはずだった春節(旧正月)休みを2月3日まで延長することを決めている。減速傾向にある経済全体への打撃は避けられないが、どの程度の被害が生じるのか、公式的な見解はまだ出ていない。本稿では、これまでに中国メディアが紹介した、新型肺炎が中国経済に与える影響について分析した、2つのレポートを紹介し、今後のシナリオを予測してみたい。

恒大研究所による2020年の成長率予測

【ポイント】
  1. 中国の新型肺炎は経済に深刻な打撃を与えることは必至だ。直近で公表された現地のレポートによると、エコノミストらは流行が4月までに収束した場合でも、1~3月の成長率は2019年10~12月の6.0%を大きく下回り5%割れとなる可能性もあり、通年でも5%台の成長に止まるとみている。
  2. 具体的には観光業や飲食業など減収規模が1兆元を超すほか、春節休暇が明けても豚肉など食料品の高騰が収まらないため物価が当面、高止まりする見通し。失業者の増大も懸念されるという。
  3. ただ、中国政府による景気テコ入れの余地は大きく、財政支出の拡大などにより「経済の底割れ」と言う最悪の事態は回避できる。そのため、財政赤字の拡大は一定程度、容認すべき、としている。
関連レポート
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※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから

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