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中国統計 統計で見る中国経済 (2月)

主要統計、軒並みマイナスの異常事態

――物価は高止まり、景況感も過去最悪

湯浅 健司
  首席研究員兼中国研究室長

2020/03/17

 春節休みの関係で多くの統計は1、2月分の累計値となり、新型肺炎の影響を受けて、いずれも大きなマイナスだった。前年同期比で固定資産投資は24.5%、輸出は17.2%、消費(社会消費品小売総額)は20.5%のそれぞれ減少となった。消費では特に2月の新車販売台数が79.1%減の31万台と、昨年2月の5分の1の水準にまで落ち込む異常事態に。人やモノの流通が不自由になり、工場の操業が停止したり、消費行動が制限されたりしているため、疫病の被害は経済全般に広く及んでしまった。さらに、全国の失業率は6.2%と昨年12月の5.2%から急上昇したほか、物価も高止まりしており、社会生活に一段の不安が広がりつつある。ただ、国内の新型肺炎の患者数の増加ペースはここに来て急速に鈍化している。事態の鎮静化により、3月の統計がどこまで回復するか注目される。

概要

  1. 固定資産投資と不動産開発:投資が大きくマイナス~民間部門は深刻  
  2. 輸出入 :輸出が急ブレーキ、貿易収支は赤字に
  3. 工業生産 :工作機械、自動車、携帯などが打撃
  4. PMI :製造業、過去最悪の35.7
  5. 社会消費品小売総額 :消費も減退、飲食は4割減 
  6. 消費者・卸売物価指数 :CPI、高止まりの5.2%~豚肉高騰続く  
  7. 新車販売台数 :市場縮小、過去最大の下げ幅に
  8. 新築住宅価格動向 :「上昇」した都市が急減

☆トピックス:過去4年の成長率を修正~2019年統計公報を発表

☆主要経済統計:バックデータ

※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから

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