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経済百葉箱 第149号

ウイルス終息後は情報化投資で活路を

―サービス業でも労働から資本に代替しやすく―

黄盛凱、白須光樹、野口翔平 <監修>短期経済予測主査:西岡慎一 総括:田中顕
   

2020/04/07

▼ポイント▼

          • 新型コロナウイルス感染症の流行前から、労働投入(経済全体の総労働時間)が減少に転じている。景気減速の影響もあろうが、近年の労働規制の強化が、人件費を上昇させ、企業サイドの採用意欲が後退した可能性もある。
          • 人件費の上昇圧力が高まるなかで生産量を維持するには、設備投資を積み増すことで労働生産性を引き上げることが一つの方策となる。特にサービス業では、資本装備率(労働投入1単位当たりの資本ストック)の低下が、労働生産性の停滞につながってきた。
          • 試算によれば、近年、情報通信技術の進展で、サービス業においても労働から資本への代替が進みやすく変化しており、設備投資を積み増す余地が大きいと考えられる。現在は設備投資を実行できる環境にないが、ウイルス感染の終息後は、生産性向上に向けた情報化投資でサービス業に活路を求めていくことが重要となる。

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