4月の中国は新型コロナウイルスの感染が拡大から縮小に向かったが、経済動向は一部に改善の兆しはあるものの、全体としては依然、低調だった。固定資産投資、社会消費品小売総額とも前月よりはマイナス幅が縮小したが前年実績割れが続く。輸出はマスクの出荷増という特需があったと思われプラスに転じ、輸出主体の民営企業の工業生産が伸びたほか、新車販売が22カ月ぶりにプラスに転じたが、継続性は不透明。高騰が続いた食品価格が落ち着き始めたのは明るい材料だが、全国調査失業率は6.0%と3月よりさらに0.1ポイント悪化しており、社会の不安定化が懸念される。連休消費でどこまで経済が盛り返すか、5月の統計に注目したい。
概要
- 固定資産投資と不動産開発:投資の回復は鈍く2ケタのマイナス
- 輸出入 :輸出が3.5%増に~輸入は低迷続く
- 工業生産 :4カ月ぶりプラス~民営企業の増勢目立つ
- PMI :製造業、景況感は一進一退
- 社会消費品小売総額 :消費は依然低調、マイナス続く
- 消費者・卸売物価指数 :物価高は徐々に落ち着き
- 台湾の実質経済成長率 : コロナ禍でもプラス成長維持
- 香港の実質経済成長率 :本土上回る8.9%のマイナス成長
☆トピックス :雇用環境が急速に悪化~求人数激減、失業率は実質20%台か
:新車販売、商用車伸び22カ月ぶりプラス~乗用車は回復鈍い
:5月の連休消費~国内旅行は4割減、買い物は堅調?
☆主要経済統計:バックデータ
※旧サイト(~2018.8月)の中国・アジア研究、アジア予測、コラムなどの一覧はこちらから
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