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中国・アジアウォッチ シリーズ企画「コロナ後のイノベーション動向」 (4)

ハード系、米中が世界を二分し先導

―電子たばこ、飛行体、MRグラス等に資金流入

上原 正詩
  アジア予測室長兼主任研究員

2020/06/10

 「ハードウエア」分野のスタートアップは12の産業分類中で、ソフト、ヘルス、メディア、フィンテックに次ぐ5番目の位置にある。ユニコーン候補の比率も高く、今後もVCの資金流入が期待できる分野である。米中がハード系スタートアップの世界を二分している構造が鮮明で、米中以外の国の存在感が小さい。米国はユニコーンからユニコーン候補まで幅広くスタートアップが存在し、MR(複合現実)グラスや3Dプリンターに評価額の大きなスタートアップを抱える。一方、中国は深圳にユニコーンが集積し、小型ドローンやディスプレイ、ヒト型ロボットのメーカーなどに資金が流入している。

【ポイント】

  1. ハードウエア分野はスタートアップ全体の中で、企業数、評価額合計ともにソフト、ヘルス、メディア・エンターテインメント、フィンテックに続く第5位の地位を占める。国別では米中が全体の9割前後を占め、両国がハードの世界を二分しつつ先導している。
  2. 全体の6割を占める米国はユニコーン候補も数多く存在し、そのすそ野は広い。電子たばこ、MRグラス、3Dプリンターなどで評価額の大きなユニコーンが存在する。
  3. 中国は深圳がハード系の集積拠点となっている。小型ドローンやディスプレイ、ヒト型ロボットのメーカーに資金が流入している。
  4. 投資する側では米インテルや独BMWなど、メーカー系のコーポレートベンチャーキャピタルの存在が目立つのが特徴だ。