4~6月期の実質経済成長率は3.2%と、マイナス6.8%だった1~3月期から反転上昇し、2四半期ぶりのプラス成長となった。新型コロナウイルスの感染拡大で先進国が軒並みマイナス成長を強いられる中、中国はいち早くプラス成長を取り戻した形だ。経済紙、第一財経日報が直前にまとめたエコノミスト予想は2.37%で、予想を上回る伸び率に。6月単月でみると製造業では工場などの操業再開が進み自動車をはじめ生産が大きく伸びたほか、不動産などの投資の増勢も目立つ。輸出入がともにプラスとなり、企業の景況感も改善してきた。ただ、消費の回復がやや鈍いほか、6月の全国の調査失業率は5.7%と前月から0.2ポイントしか改善しておらず、雇用問題も引き続き懸念材料。経済回復がどこまで持続するかは、なお不透明だ。
概要
- 実質経済成長率 :4~6月期は3.2%増、V字回復果たす
- 固定資産投資と不動産開発投資 :不動産伸び目立つ~民間投資は鈍い
- 輸出入 :輸出入ともにプラスに転じる
- 工業生産 :前月からさらに拡大~1年前の水準に
- PMI :景況感、3カ月ぶりに改善~雇用は厳しく
- 社会消費品小売総額 :消費は緩やかに回復、住宅関連好調
- 消費者・卸売物価指数 :CPI上昇率、減速止まる
- 新車販売台数 :乗用車の回復鈍い
☆トピックス :露店経済が5000万人の雇用を生み出す?
:中国共産党、党勢拡大が続く~19年の党員数が2年連続の増加
☆主要経済統計:バックデータ
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